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遺言書を作成しておいたほうがよい人の具体例

 遺言書を作成しておいたほうがよい人は、どのような人でしょう。
 

例示

 まずは、自分が亡くなった後、「争族」が起こるのではないかと危ぐされる人は遺言書を作成しておいたほうがよいでしょう。自分が財産を残したばかりに、残された家族がののしり合うのはむなしいことといえます。
 また、企業オーナーの人は遺言書を作成しておくべきです。企業オーナーの人が亡くなったときに、遺言書がないため、法定相続分に応じて財産を分けようとする場合があります。この場合だと、株式やその他財産を分割せざるを得なく、会社の経営基盤を弱体化させることになります。相続を境にして、会社が衰退してしまう例はたくさんあるので注意が必要です。
 もちろん、遺言書がない場合は必ず法定相続分で分ける、というわけではありません。たとえば、企業オーナーZ氏の子どもとして、長男A男と次男B夫がいたとします。長男A男は中学を出てすぐに、Z氏の商売を手伝って盛り立てました。一方、次男B夫は大学に行かせてもらい、サラリーマンとなりました。この場合、長男A男と次男B夫は均等に財産をもらうべきかといったら、当然にそうではありません。長男A男がZ氏の財産の維持・増加に貢献したことは明らかです。ですから、この場合、次男B夫より「寄与分」といってプラスにもらえる貢献分があります。
 ただし、この「寄与分」の算定は非常に決めにくいものです。いくらが妥当であるかというのは、簡単に算出されるものではありません。ですから、貢献してもらった人に財産を確実にあげたいのであれば、あらかじめ遺言書を作成しておくべきでしょう。
 また、仮に次男B夫が現代っ子ではあるけれども、「自分」よりも「家」に意識がある場合、「兄さんが後継者だから、僕は財産はいらない」と思うでしょう。こういった場合、財産の分割は避けられます。しかし、次男B夫の伴侶もこの考え方に同意してくれるでしょうか。「あなた、リストラされたときのことも考えて、もらえる分はもらっておきなさい」という考え方を次男B夫の伴侶がしても、なんらおかしくはありません。
 また、遺言書を作成する場合、長年連れ添った配偶者のことも当然考慮に入れておくべきでしょう。内助の功があってこそ、企業オーナーは会社の経営に集中できたということも勘案すべきといえます。そして、男性よりも女性のほうが平均寿命が長いことも忘れないでいただきたいです。とくにお子さんがいない人は、配偶者に全財産が渡るように注意すべきです。遺言書がなかったばかりに、親戚付き合いをまったくしていなかった兄弟に財産が渡ってしまうケースもあるので気を付けてほしいです。
 やはり、企業オーナーの人は、あらかじめ遺言書を作成し、「争族」によって会社の経営基盤が弱体化しないように準備しておくべきでしょう。自分が築き上げたものが、いや財産を築いたばかりに崩壊していくことはあまりにもむなしいからです。
 
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