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遺言書がなかったばかりに、悲劇になった具体例

 遺言書がなかったばかりに、悲劇になった人は、どのような人でしょう。
 

例示

 A夫とB子という夫婦がいました。A夫は永年ためてきた貯金をはたいて、マンションを買いました。豪邸とまではいきませんでしたが、自分たちの家(我が城)を持てたことに、2人はとても満足していました。夫婦の間に子供はいませんでしたが、新しく買ったマンションで2人は楽しく暮らしていました。
 しかし、A夫が不慮の事故で亡くなってしまったのです。最愛の夫を失いB子は悲しみにくれていました。そのときB子に、追い討ちをかけるような悲劇がおきたのです。
 まったく親戚づき合いのなかったA夫の兄C男が、A夫の遺産をB子に要求してきたのです。A夫とB子のあいだには子供がおらず、A夫の両親もすでに亡くなっていました。このように子供も親もいないような場合だと、法定相続では亡くなった人の兄弟、つまりC男にも相続させなければならないのです。
 夫婦はマンションを買ったばかりで、お金はほとんどなく、財産らしいものはA夫名義のマンションだけでした。そこで、B子はやっと手に入れたばかりのマンションを売りに出して、C男にお金を渡したのです。
 この悲劇を避ける方法はなかったのでしょうか。実は、A夫が「財産はすべて妻のB子のもの」という遺言さえ書いて残していれば、兄弟(C男)には遺留分がありませんから、A夫の財産はすべてB子が相続することができたのです。
 
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