遺言書>>遺言・遺言書を理解するための知識

遺留分の基礎

 相続人のために民法上確保された一定割合の相続財産を、遺留分といいます。遺言によって、相続人以外の人や法人に財産をあげることができるようになっています。つまり、遺言書で書かれた内容は、法定相続人・法定相続分よりも優先されます。しかし、「自分が死んだら、愛人に全財産をあげる」という遺言書を作られてしまうと、残された家族は気の毒です。相続人のこれまでの財産形成上の寄与の度合いや、今後の生活保障などを考慮すべきです。そのため、民法では最低限相続できる財産を「遺留分」として保障しているのです(民法902@964)。遺留分が保障されている権利者は、被相続人の配偶者、子供、父母(直系尊属)です。ただし、子供がいる場合は、父母に遺留分はありません。なお、法定相続人の第3順位である兄弟には、遺留分は保障されていません。侵害された遺留分を確保するためには、遺言により財産をもらった人等に、「遺留分減殺請求」をする必要があります。さらに、「遺留分減殺請求」の権利は、相続開始、および自分の遺留分が侵害されていることを知った日から1年、あるいはそれを知らなくても相続開始の日から10年を過ぎると、時効で消滅するので注意をしてください(民法1042)。
 

遺留分の割合

 遺留分の割合は、法定相続人が親などの直系尊属だけの場合は、「遺留分算定の基礎となる財産」の3分の1となり、それ以外(法定相続人が配偶者のみ・子供のみ・配偶者と子供・配偶者と親)の場合は、財産の2分の1になります(民法1028)。なお、1人ひとりの遺留分は、全体の遺留分に各自の法定相続分の率を乗じて算出します(民法1044900)。
  
相続人  全員の遺留分  相続人の遺留分
配偶者 子供 父母 兄弟
配偶者のみ 1/2 1/2 × × ×
配偶者と子供 1/2 1/4 1/4 × ×
配偶者と父母 1/2 2/6 × 1/6 ×
配偶者と兄弟 1/2 1/2 × × ×
子供のみ 1/2 × 1/2 × ×
父母のみ 1/3 × × 1/3 ×
兄弟のみ × × × × ×
 
遺留分