遺言書>>遺言・遺言書を理解するための知識

法人に対する遺贈

 法人に対する遺贈は、税務上、注意が必要です。
 

所得税と法人税

 相続や個人への遺贈の場合、財産をもらった人に相続税がかかります。もっとも、少額の財産にまで相続税をかけるのは酷だという考え方により、遺産が基礎控除額(5000万円+(1000万円×法定相続人の数))以下ならかかりませんが。
 しかし、相続と違って、遺贈は個人だけでなく法人に対しても行うことができるのですが、その場合、課税上の注意点があります。遺贈の対象となった財産が、遺言者から法人に譲渡されたとみなされます。したがって、それが含み益のある土地などの財産の場合、遺言者に対して譲渡所得課税が行われることになります(所法59@一)。また、受像者である法人については、財産の時価相当額を受贈益とし、法人税が課税されます(法法22A)。この場合の時価相当額とは相続税評価額ではなく、通常の売買時価となります。
 なお、遺言者に対して譲渡所得課税が行われることになりますが、その時点では遺言者は当然に亡くなっていますので、相続人が準確定申告という手続きで所得税の申告・納付を行うことになります。会社の財産状態を良くするためになど、法人への土地などの含み益のある財産の遺贈を考えている方もいらっしゃると思います。しかし、その場合には、あらかじめ所得税、法人税の負担も考慮した遺言の作成が必要となります。