遺言書>>遺言・遺言書を理解するための知識

遺言書の検認

 遺言書の記載を確認することです。
 

遺言書の検認の内容

 公正証書遺言を除く遺言書の保管者や、これを発見した相続人は、遺言者が亡くなったら、すみやかに遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求しなければならないことになっています(民法1004)。なお、提出する家庭裁判所は、相続開始地すなわち遺言者の最後の住所地の家庭裁判所となります(家審規120@
 検認とは、相続人に対し遺言の存在を知らせるとともに、検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。一種の証拠保全手続であり、遺言の方式に関する一切の事実を調査します(家審規122)。遺言の中身についての有効、無効を判断するものではないため、検認後に有効、無効を争うこともできます。なお、明らかに無効な遺言だとわかっていても、検認を請求しなければなりません。
 封印のある遺言書の場合、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ、開封できません(民法1004B)。相続人や代理人が立会い、検認を受けると「検認調書」が作成されます(家審規123)。検認に立ち会わなかった相続人などに対しては、検認されたことが通知されます(家審規124)。この検認手続きが終わらないと、遺言書の記載通りのことができません。例えば、遺言書に基づく預金の引き出しだったり、不動産の相続登記などです。
 なお、検認手続きが必要なのは自分で作成・保管する自筆証書遺言と秘密証書遺言であり、公証役場で作成・保管する公正証書遺言は偽造などのおそれがないので、検認手続きは必要とされません。
 遺言書を家庭裁判所に提出することをしなかったり、その検認を経ないで遺言を執行したり、封印のある遺言書を家庭裁判所外において開封をした場合は、行政罰である5万円以下の過料に処せられることになっています(民法1005)。つまり、検認手続を受けなかったからといって、遺言自体は無効にならないのですが、行政罰を受けるということです。ただし、他の相続人等から、あらぬ疑いをかけられたりすることも考えられますので、検認手続きを必ずとるようにしてください。
 また、遺言書を偽造、変造、破棄や隠匿した人は、相続欠格者となります(民法891五)。